骨折日記#07 寝たきり期おトイレ事情

大きな骨折で不安を抱えている方に、少しでも私の情報が役立てばと思い、始めた日記です。私は2019年12月に脛骨・腓骨の開放骨折と大腿骨頸部骨折を経験しました。
初めて読む方は、まず「骨折日記はじめに」をご覧ください。

※入院中に別のブログに書いた記事を、こちらのブログへ移動しています。

ベット上の、おトイレの話

私は最初の10日間を寝たきりで過ごしていたので、オムツをしていた。
初オムツ。いや、赤ちゃんの時にしていたから36年ぶりのオムツなわけで、まさかこの歳になってこんな経験をするとは…。

赤ちゃん風俗ではあるまいし、なんて貴重な経験なのだ？

おしっこは導尿カテーテル（※後述）をつけているため、オムツに直接しないが、衛生面から1日に1度オムツを変えてもらっていた。
おしっこは導尿カテーテルで済む。では、大の方はどうやって…？

選択肢は二択
・オムツ内でする
・差込み式便器でする

私が入院していた大学病院の看護師さん達は、見事に皆美人で、こんな方々に処理していただくなんて申し訳なくて、できるわけないだろうが！最初は「絶対に無理です！」と言っていた。

自分の便を沢山の方々に心配される

入院4日めにもなると、看護師さんに

「はぁ…（溜息）まだ出てないんですか〜。」と担当が変わるごとに言われたり
「お薬のんで出しちゃいましょうか！」など、ものすごく気にされていた。

看護師の仕事からすると、私の便秘問題は超重要らしく、病院内で共有され沢山の方々から心配されるのだった。なんて申し訳ないんだ。ここまで自分の便を心配される経験はまさに赤ちゃん以来ではないか。

（便秘は環境の変化に伴うストレスや緊張、副交感神経が十分な働きをできてないという表れなので管理する病院側としては大事なんだって）

難易度が高すぎるトイレ

これがベット上専用の便器。いたってシンプルで、プラスチックの容器にただ穴が空いているだけ。この上からビニール袋が被され、そこにする。

寝たきり患者の為の道具だが、寝たきりでコレをお尻の下に差し込むと、信じられないほど座り心地が悪い。お尻も腰もだいぶ痛い。

仰け反る様な、体操部的なアクロバティックな身体の状態…。この姿勢だけで辛いのに、この状態で踏ん張れだと？！出来る人なんているのか？

これ、高齢者とか絶対に無理でしょ！この商品作った人は絶対自分で体験してないでしょ？ってクレーム全開な気持ちだった。笑

（生々しくないようにイラストは爽やかな表情にしたが、実際こんな余裕はない。）

私は脊髄損傷の疑いがあり、身体を30度以上起き上がってはいけない患者だった。
HCU（高度治療室）はプライベート感一切なしでカーテン開けっ放しだが、さすがにこの時は閉めてくれる。その隙を狙って

終わったら、（服をきて）ナースコールを押して、看護師さんに便器ごと下げて頂く。
看護師さんによっては、私の出したモノをまじまじと見て「あんまり、出なかったですね…。」と、残念そうな顔で言ってくる。

こんな汚い自分の出したモノに気にかけて頂き、本当に本当に、ごめんなさい。申し訳ない、思った。
看護師さん、もう尊敬しかないです。

こんな感じで、大変ストレスのあるトイレ事情なので、私にはほとんど無理で、オムツ中10日間でしっかり出す事はできなかった。

オムツ替えについて

一日一回オムツを変えてもらう際、丁寧に洗浄して頂く。看護師さんが言うには、とても大事なことで、お風呂に入れない状況の人は陰部だけでも毎日洗浄しないと不潔で感染症にも良くないそう。もちろん精神的ストレスにも。

この時、看護師さんは「病院生活には慣れましたか〜？」「眠れてますか〜？」など、必ず何か話しかけてくれる。あとで聞いたら看護学校の実習でオムツ替えの時、患者さんはどんな気持ちなのかレポートを書いたりするみたい。

洗ってもらうだけでありがたいのに、気まで使わせてしまっているのだ。なんて申し訳ない。

たまに、オムツ変えを忘れている看護師さんもいるので、自分から「今日まだ変えてもらってません。オムツを変えてもらえますか？」とお願いするのは、恥ずかしかったし、心苦しかったなぁ。

今回の事故で、介護する側、介護される側、色んな人の気持ちが理解できて良かった。

せっかくだから覚えよう！医療用語メモ

導尿カテーテル
トイレに行かなくても尿が自動的に容器へ流れる大変便利なシステムで、尿道に管を通し、小さな水風船みたいのを膀胱に引っ掛けるので抜けないようになってる。なんか痛そうに聞こえるが、つけるのも、つけてる時も外す時も、全然痛くない。お酒を呑み過ぎた翌日の午前中に尿道カテーテルをつけてたらずっと布団から出なくて便利なのにな〜。と検索したくらいだ。（医療行為なので無理です笑）
ちなみに、男性は先っぽから刺されるわけで、これは結構プライドが傷つくらしく、そして男性はかなり痛いという噂を聞く。私は全然痛くなかったけどな。男って痛さに弱いからじゃないのかしら。